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今後を生き抜くカギとなる!地銀の内製化

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

今回は、DX推進に伴い耳にすることも多くなった「内製化」について調査をしてみました。
地方銀行(以下、地銀)ではどのようにして内製化が取り入れられ、どんな成果を上げているのか? デジタル化が上手く進まない、他行の取り組みが気になるという地銀のデジタル担当者さまに参考になる事例もあるかもしれません。

ぜひご覧になってください。

デジタル化で注目!「内製化」のメリットとは

今回はDXを推進させ、人材を育成する要素にもなる「内製化」に着目して調査をしています。
「内製化」というキーワードは、みなさまも大企業のDX事例などで聞いたことがあるかもしれません。
内製化は、地銀で直ぐに実現できるものなのか? 内製化による取り組みをすることで、どのような事が実現できるのか?

具体的な事例を見ながら、その状況をチェックしてみましょう。

武者修行や内製化で進む地銀の人材育成

DX推進の課題は人材育成にあるとして、以前の記事では人材育成・強化を目的に異業種の企業に行員を出向させ、武者修行をさせているケースもあるということをお伝えしました。
この修業期間によって出向した行員は地域経済をリアルに知ることができ、ニーズを見出すための経験を積めるという意味では貴重な取り組みであることは間違いありません。

人材育成と業務効率化を実現した内製化の事例

このような他企業への「武者修行」も一つの人材育成の方法ではありますが、行内での「内製化」にて人材育成、業務効率化の両立を実現していたのが、宮城県仙台市に本店を置く七十七銀行の事例です。

七十七銀行では、地銀で初めてビジネスAIツール「AMATERAS RAY」を導入し、2021年8月からワークショップを実施しながらAI活用領域の拡大と人材育成へ取り組んでいました。
株式会社aiforce solutionsが提供したツールがAI未経験でも使用することができるものであったことから、AIの専門家では無い行員が自らAIモデルを短期間で構築し、データ分析を行えたようです。
銀行内の業務をAIによって高度化することが可能な人材育成が完全に内製化でき、行内の人材で課題解決や新しい価値創出の推進を可能にしていました。

しかしながら、七十七銀行の事例や他業界への武者修行の事例からもお分かりいただけるように、内製化を実現するのにはやや時間が掛かるという弱点もあります。
では、スピーディーに内製化を進めるためにはどうすればよいのかについてお話します。

内製化をスピーディーに実現するには

これまで多くの銀行系システム開発は外部ベンダーに丸ごと委託していたという長年の文化もあり、外注から内製にするということは、これまでと正反対のやり方、『DX内製=全て自行で完結させなければならない』という思いが強いという印象です。
だからこそ、内製化でDXを推進したいが、自行のリソースのみではどう対応すればいいのか分からない…。そんな手詰まり感を抱えている担当者さまも多いのではないでしょうか。

行員「のみ」の内製化はハードルが高い

例えば、上記のような『DX内製=全て自行で完結』というストーリーを描き、どのような業務も行員だけで収まるようにしたい、そう考えて新たなデジタル人材を一人採用したとします。
しかし、今は売り手市場であるデジタル人材の採用は難しく、コストも掛かる…。そんな状況にあるのが現実です。
さらに、新たに採用した数名の力でDXを内製にしていくことを考えると、その道のりも長くなりそうです。

※内製化の難しさについてはこちらの記事にも掲載されています
アジャイル組織への変革を目指せ 地銀のDXが進まない3つの理由~後編~

内製化の第一歩は他行との提携も

このような状況を打破するため、大手銀行との業務提携に踏み切っていたのが、香川県高松市に本店を置く百十四銀行です。
百十四銀行は昨年、共創型のプラットフォームの構築を目指すとして、りそなホールディングスとデジタル分野における戦略的業務提携の締結を発表しています。

提携の内容は、「バンキングアプリによる非対面ビジネスの強化や営業プロセス・店頭事務改革の追求」、「デジタル分野(データ分析、デジタルマーケティング、データビジネス)の高度化や人材交流によるノウハウの共有・向上」、「デジタルプラットフォームの活用領域の拡大や他金融機関・異業種との連携・協業」を掲げており、これからのDX推進に欠かせないものが並んでいました。
協働によって互いの知見を共有することができるため、このような姿勢がビジネスの成功につながっていくのでしょう。
地銀のビジネス拡大を見据えた業務提携はこれからも積極的に行われていくと思われます。

まとめ

地銀の内製化の現状や内製化の取り入れ方について理解を深めていただけたのではないでしょうか。

また、事例でもご紹介したように、他企業の人材でもデジタルに関するプロを現場に置くことで100%の内製化に向けたスピード感のある対応やスキルの蓄積もしやすくなります。
このようなチーム体制からスタートすることでスムーズなDXが実現できますので、十分に行内のDX人材が育成された後に自走できる体制へと移行していくという選択も可能です。

地銀のみなさまもぜひ、内製化のファーストステップは自行の行員のみで進めず、DX推進に実績のある企業と提携するという方法でスタートしてみてはいかがでしょう。

次回もまた、最新の地銀DXに関する取り組みをご紹介していきます。

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