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【ローン編】地方銀行におけるDX事例まとめ(2021年11月)

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

今回は、地方銀行(以下、地銀)で新たに取り組まれている、ローンを中心とした新サービスについてご紹介していきます。

さまざまな地銀で従来の銀行業務を他のサービスと組み合わせ、利便性向上や生産性向上につながる仕組みとして構築しているケースが多くみられました。

ピックアップした事例をもとに、DX推進の参考にご活用ください。

ローンはDXで利便性アップ! マッチング機能やマイル活用を取り入れた新サービス開始

各地銀にて、DX推進にともなう新サービスがスタートしています。現在も多くの企業がコロナ禍で事業を継続できるよう、積極的に非対面での手続きを取り入れています。

地銀も簡単な手続きのみに留まらず、ローンの手続きにもDXが取り入れられ始めていました。紹介する事例にもあるように、銀行ローンにデジタルを取り入れることで顧客は複数の地銀で条件の比較ができたり、地銀は事務作業を簡略化できるため、効率化が進みます。

そのほか、航空会社のポイント(マイル)を利用した住宅ローンサービスなども登場し、新たな事業構造へ取り組む姿もみられました。

INTERNET Watch:融資を受けたい個人と低金利の銀行ローンをマッチング、「クラウドローン」サービス開始

クラウドローン株式会社のマッチングサービス「クラウドローン」は、融資を受けたい個人と銀行ローンとのマッチングを行う仕組み。

ユーザーは目的や時期、金額などを1回登録するだけで各銀行から融資可能なプランを提案してもらえます。

また、クラウドローンによると、個人が銀行から融資を受けるのは住宅ローンが主だったものであり、それ以外は殆ど個人での利用経験がないとされています。

銀行から融資を受けた経験がない個人にとっては、どの銀行が融資をしてくれるか分からないということもあり、また、条件によって銀行が融資できる金額や金利が変化するため、複数の銀行を訪ねて可否を相談しなくてはならなくなります。

そのような場合でも「クラウドローン」の仕組みを使うことによって、ユーザーは労力を掛けずに複数の銀行から、より条件のよい融資を見つけることができます。

こちらのサービスは1月から開始されており、参加銀行は、中国銀行、伊予銀行、スルガ銀行、三重銀行、仙台銀行、その他1行の計6行。さらに、参加銀行を増やす方向で各銀行と調整を行っているとのことです。

日経電子版:JALと住信SBI、マイル会員に住宅ローン

日本航空(JAL)と住信SBIネット銀行は、7月よりJALのマイル会員に提供しているネット銀行サービスで「JAL 住宅ローン」の取り扱いを始めています。

これは、両社が2020年に立ち上げたネット銀行「JAL NEOBANK」の新サービスとして導入したもの。「JAL 住宅ローン」は、変動金利0.44%(新規)の住宅ローン。

病気やケガで返済が難しくなった際にも保険料が支払われる「全疾病保障」を金利の上乗せなしで提供、繰り上げ返済も手数料も取らないとのこと。

また、全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」の取り扱いもしています。

さらに、利用者には借入額に応じてマイルをためる特典などを付与し、マイルの利便性を高めて会員との関係を強化させる狙いも。

「JAL NEOBANK」では、これまでにも決済や預金といったサービスを提供してきましたが、顧客への融資を行うのは初となり、コロナ禍で旅客数が低迷する中で航空需要の変動に強い事業構造を構築しているようです。

日経電子版:オリコ、高知銀行と「Big Advance」会員企業向け職域フリーローンを提供開始

株式会社オリエントコーポレーションは、高知銀行と提携し、中小企業の経営課題を解決するための経営支援プラットフォーム「Big Advance」の会員企業向け職域フリーローンの提供を開始しています。

申込みから審査、契約締結までの手続きをWebサイト上で完結できるため、24時間365日お申込みが可能、店舗への来店、契約書の記入・捺印を不要とするなど、ニューノーマルな時代に求められるニーズに応えた商品です。

さらに、契約手続きにおけるWeb化、ペーパーレス化を推し進めながら、高知銀行のDX推進を支援しています。

電子契約サービスで顧客と地銀、双方にメリット! クラウドで変わる契約のカタチ

こちらは、電子契約サービスを導入した地銀の事例です。

三十三銀行のケースが地銀では初の事例となり、デジタルによる業務効率化を加速させています。

三十三銀行で採用された「立会人型」の電子契約は、契約をする当事者ではない第三者が当事者の指示に基づいて電子署名を付与する方法で、これによって事務作業などのローン手続きの負荷を少なくさせることが可能になります。

紀陽銀行も同様に住宅ローン手続きの印鑑レス、ペーパーレス化をサポートするためのサービスを導入していました。各地銀において煩雑な事務作業や対面による契約を見直し、デジタル活用で業務をスリム化していることがうかがえます。

exciteニュース:【地方銀行で本邦初!】株式会社三十三銀行様 住宅ローンにおける『SMBC クラウドサイン』の導入について

株式会社三十三銀行では、10月20日よりSMBC クラウドサイン株式会社が提供する電子契約サービス「SMBCクラウドサイン」を導入し始めています。地方銀行の住宅ローンにおいて立会人型電子契約である「SMBCクラウドサイン」を導入するのは初の事例になるとのこと。

三十三銀行は、これまでも積極的にデジタル戦略へと取り組んでおり、外部企業との契約書を皮切りに、多くの契約書の電子化を進め、ペーパーレス化・印鑑レス化するなど、大幅な業務効率化を実現し、さらなるデジタル化を加速するべく「SMBCクラウドサイン」の導入に踏み切りました。

今回は個人顧客へと対象を拡大し、住宅ローンの契約に「SMBCクラウドサイン」を活用することでユーザーの利便性を向上させる狙い。

住宅ローンビジネスにおける紙ベースの事務作業の大幅な削減や保管する契約締結書類の電子化を通して、圧倒的な生産性向上を実現していく予定です。

週刊BCN+:紀陽銀行が採用、セイコーソリューションズの融資クラウドプラットフォーム

紀陽銀行は、住宅ローン手続きの印鑑レス、ペーパーレス化をサポートするためのサービスとして、セイコーソリューションズの金融機関向け電子契約サービス「融資クラウドプラットフォーム」を採用し、8月より利用が開始されています。

「融資クラウドプラットフォーム」は、金融機関の個人・法人向け融資手続きを受付から契約まで電子化・自動化するサービス。

標準化されたサービス機能を利用することで短期間での立ち上げが可能に。当サービスによって、住宅ローン契約の電子的な締結を行うサービスを短期間で立ち上げることに成功したとのこと。事務作業削減、業務効率化、ペーパーレス化を図ることができ、ユーザーの利便性向上が期待されています。

また、さらなるサービス拡充を図るため、融資クラウドプラットフォームを用いた事業性融資への電子契約利用拡大や当座貸越取引申し込みのサービス構築も進められているようです。

まとめ

今回は、地銀のローン手続きにDXを取り入れるなど、さまざまな場面に取り入れられ始めているDXの事例をご紹介しました。

11月現在では、夏頃に比べコロナウイルスの感染者数は抑えられていますが、再び流行することへの懸念もあり、今後もニューノーマルな生活が続いて行くと思われます。

そんな中、どのようなサービスが銀行と顧客、双方にメリットがあるかを考慮し、柔軟にサービスへ反映させていくことが、これからの時代に必要とされる地銀となっていくのではないでしょうか。

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