Web3.0テクノロジーの波。地方銀行が挑む未来の可能性
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Web3.0テクノロジーの波。地方銀行が挑む未来の可能性

みなさん、こんにちは。メンバーズWeb3カンパニーの山本です。
今回は、NFTをはじめとしたWeb3.0の調査記事の紹介をします。

2023年はRWA(Real World Assets) と呼ばれる株式や債券、不動産、コモディティなどの現実資産をトークン化してブロックチェーン上で取引・管理できるようにしようというトレンドが流行りました。

今年もこのトレンドが続いていくという見込みの中、銀行におけるWeb3.0の活用方法はどんなことが考えられるか、どういうことが今取り組まれているのか、地方銀行がWeb3.0を活用している事例をいくつか調査してみました。

そもそもWeb3.0とは何か

Web3.0という言葉がトレンドになってから早数年経ちましたが、改めてWeb3.0とはなんなのか、ブロックチェーンとは何なのか、金融機関が注目すべき技術は他にあるのかなど簡単に説明していきたいと思います。

Web3.0とは

Web3.0は、従来のウェブとは異なり、ブロックチェーン技術を用いた分散型テクノロジーに基づいています。中央集権のないシステムを重視し、データやアプリケーションは複数のノードに分散されます。この分散化により、データの安全性と信頼性が向上します。

ユーザーにとっても、Web3.0は重要な変化をもたらすと考えており、ユーザーは自分のデータとプライバシーをコントロールし、共有権を持ちます。そのため、プライバシーの問題や個人情報のハッキングの問題など、既存のウェブが抱えている課題を解決すると言われています。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンは、Web3.0の記述の基盤となっている改ざんが困難な分散型デジタル台帳技術です。データは「ブロック」と呼ばれる単位で記録され、これらが時系列に沿って「チェーン」のように連結されます。

このシステムは中央集権的な管理者が不要で、ネットワーク上の多数のコンピュータ(ノード)によってデータの整合性が保たれます。透明性とセキュリティが高いため、仮想通貨からサプライチェーン管理、医療記録まで様々な分野での応用が進んでいます。

ステーブルコインとは

ステーブルコインは、価格が安定している仮想通貨です。普通の仮想通貨(例えばビットコイン)の価格は大きく上下しますが、ステーブルコインはドルやユーロなどの実際の通貨や金などの価値が安定している資産に価格を固定することで、このような大きな

変動を避けています。これにより、ステーブルコインは日常の取引や支払いに使いやすくなり、仮想通貨の世界と実際の経済をつなぐ役割を果たしています。例えば、オンラインでの商品購入や国際送金に使用でき、手数料が低く、処理が迅速です。このように、ステーブルコインはデジタル通貨の利便性と伝統的通貨の安定性を組み合わせたものと言えます。

地方銀行がWeb3.0を活用している事例

Web3.0は技術的な面と暗号通貨の取引としての価値が先行して語られがちですが、Web3.0の実証実験なども地方銀行で取り組んでいる事例もあります。では実際に、事例があるのかを簡単にご紹介いたします。

きらぼしFG、みんなの銀行、四国銀行がステーブルコイン実証実験を開始

G.U.Technologies株式会社は、日本企業が運営するEthereum互換のパブリックブロックチェーン「Japan Open Chain」上で、3つの金融機関と共に日本法に準拠したステーブルコインの実証実験を開始しました。参加するのは東京きらぼしフィナンシャルグループ、みんなの銀行、四国銀行で、ステーブルコイン発行・管理システムを使って、Japan Open Chain上でステーブルコイン型電子マネーの発行や送金を行います。世界には問題を抱えるステーブルコインもありますが、この実験は日本の新しい資金決済法を順守し、各銀行の独自ステーブルコインを安全に発行するためのものです。

G.U.Technologies社は、金融機関向けの実用的なステーブルコインシステムを開発してり、この実験を通じて、日本及び世界の決済システムに貢献することを目指しています。ステーブルコインは、送金・支払手段、web3決済、オンライン決済、デジタル証券取引、地域通貨としての利用が考えられており、発行体と利用者双方に多くのメリットが期待されています。

参考:PRTIMESステーブルコイン実証実験開始のお知らせ 〜国内銀行各行が日本法に準拠するステーブルコインを「Japan Open Chain」上で発行へ〜

日銀がメガバンク、地銀と連携をして「デジタル円」実証実験へ

日本銀行は、デジタル円に関する実証実験を進めており、国内の大手銀行(メガバンク)行や地方銀行などと協力しています。この実験では、入出金に関する問題の検証や、災害時やインターネットにアクセスできない地域での運用可能性の確認などが行われています。実験は2023年春から開始され、2年間行われる予定です。2026年には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行についての判断が下される見込みです。なお、協力先の地方銀行は公開されておりませんが今回のプロジェクトに参画している地方銀行は実証実験を通じてかなりの知見が溜まっていくものと思われます。

参考:日本経済新聞:日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から

まとめ

今回は、Web3.0とブロックチェーン技術、そしてそれらが金融界にもたらす革新的な変化について事例を含めながら詳しく解説しました。現実の資産をトークン化する概念から、日銀のデジタル円実証実験まで、これらの進展は金融業界の未来に大きな影響を与えるでしょう。技術の進歩と共に、銀行やその他の金融機関はこれらの新しい技術をどのように活用していくかが重要な課題です。Web3.0の世界はまだ始まったばかりであり、その可能性は計り知れません。近い将来Web3.0の時代が本格的に来た際に取り組みをしているのと来る前から取り組みをするのではスタートダッシュが大きく異なります。いち早く取り組みを先んじるのも一つの方法かもしれません。

メンバーズではWeb3.0に関するご支援も行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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