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Webサイト徹底解説!専門家が某地方銀行かりるページ簡易分析してみた

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツの森です。

普段から様々な地銀様と取引させていただく中で、「ローン系サービスに注力しているため、サイト全体の課題だけではなく、各ローンの訴求方法や申し込みまでの導線で課題はあるのかを見てほしい」という依頼をよくいただきます。

そのため、現在お取引のある地銀様だけではなく、他の地銀様でも同じような課題を抱えているのではないかと思い、誠に勝手ですが、各地銀様のローン商品などの訴求や申し込みまでの誘導部分の簡単な分析を記事にしてみることにしました。

ぜひ少しでも参考にしていただければ幸いです。

この記事はこんな方におすすめです!
・地域金融機関において、デジタルを活用した業務に携わっている方
・地域金融機関の、Webサイト等デジタルチャネルの担当者の方
・地方銀行の、各商品担当者の方

調査結果/現状の課題と考えられる点

さまざまな銀行のトップページをチェックしてみたのですが、「カードローン」を大きく訴求している銀行さま多く存在しており、優先度が高いものと判断したため、今回は「カードローン」の訴求方法について分析させていただきました。

カードローン導線で課題を調べるためのチェック項目

それではここから簡易的ではありますが、専門家の目線や注意している点などを踏まえながら某地方銀行様にはどういった部分に改善の余地があるのかを見ていきたいと思います。

まず、我々は下記の4つのポイントを大きな軸として見ています。

①検索からのサイトに流入しやすいか否か
②トップページからカードローンページに迷うことなく行けるか否か
③かりるページから適切にカードローンを探せるか否か
④カードローン検討に必要な要素がそろっているか否か

この四つの軸について、一つ一つを解説しながら見ていきます。

①検索からサイトに流入しやすいか否か

多くのユーザーは検索エンジン(Google、Yahoo!など)を使用し、サイトに流入してきます。
その際、検索するキーワードによって表示される順番が変わってきたりします。「銀行名」で検索される場合は基本的に問題ありませんが、そういった場合ではなく、例えば「地方名 商品名」などで検索される場合にしっかりと上位に表示されるかという点はユーザーがサイトを見つけることができるかに直結してくるため非常に重要な観点になります。

今回の某地方銀行様の場合では、「地方名 カードローン」で検索した場合、1番目に表示されるため、カードローンを探しているユーザー様にサイトを見つけてもらいやすい状態であるといえます。
そのためこちらの観点に関しては問題なしという結果になりました。

②トップページからカードローンページに迷うことなく行けるか否か

こちらの観点は、サイトのランディングページ(ユーザーが一番初めにみるページ)として最も多いTOPページからユーザーが求めている情報を探しやすいか否かを確認していきます。

今回の某地方銀行様の場合では、KVでの訴求ができているのに加え、バナー内に金利や返済額などユーザーが欲しい情報が書かれているため非常によく訴求できていると考えられます。
さらに、TOPページにてカテゴリー別に導線が用意されていたり、アイコンなどでより訴求力を高めた見せ方が出来ています。
ただ、キービジュアルや各種サービスの選択肢が多く目に入ってしまうため少しわかりづらい印象を受けますので、ここは改善の余地があるといえます。

③かりるページから適切にカードローンを探せるか

こちらの観点では、かりる商品の一覧ページから目的の商品が探しやすい構造になっているかを確認していきます。

今回の某地方銀行様の場合では、各商品名(〇〇ローンなど)を一覧で見せれているが、ユーザー合った商品を訴求することは出来ていないと考えられます。
その理由としては、本来であれば店頭に来たお客様に対して、そのお客様の目的に沿った商品を提案するはずであるが、サイト内では一覧で表示されているだけになってしまっており、ユーザーに合ったものを提案するという工夫がされていないため、何を選んでよいかわからないユーザーが多くいることが予想されます。
目的の商品がある方には問題ありませんが、自分に合った商品が分からないは辿りつけない状態といえますので、改善の余地がございます。

④カードローン検討に必要な要素がそろっているか

ユーザーの心理として、検討する際には他のカードローンとの比較が必要になってきます。
それぞれにメリットデメリットはあるとは思いますが、検討される一つとして選択肢に入らなければ意味がありません。そのため検討に必要な要素が入っているか否かを確認していきます。

今回の某地方銀行様の場合では、限度額や金利など、検討に必要な項目は揃ってはいます。ただ、強く訴求したい部分が目立っていません。
申し込みや診断などコンバージョンが配置されているのは非常に良いが、電話番号や問い合わせなど非常に多くのコンバージョンが集結しており、強調したい部分が目立っておりませんので、こういった部分は改善の余地があるといえます。

現状の課題に対する改善策

弊社が具体的に推進できるのであれば、大きく下記のステップ改善していきます。

①分析基盤の構築
→正確に定量分析をするための環境を構築する(GAやGTMの設置)

②課題点の抽出
→分析基盤を構築したうえで、改めて実際にどこに課題があるのかを見定める。

③適切な商品案内と導線の設計
→分析結果に基づき、商品案内と導線を再設計する。

④商品の特徴・魅力を訴求するデザインと申し込みへスムーズに繋がるUI設計
→訴求したい部分とそうでない部分など優先順位を決め、前者がしっかりユーザーの目に留まるデザインの作成。

※その後は②~④を繰り返し、より精度の高いものへと仕上げていく。

ただ、今回は少しでも改善のイメージを持っていただくために、少しだけ簡易分析から出た結果をもし改善するならこう改善したいという弊社の意見をご紹介いたします。

弊社ならこう改善する!ルーツが考える改善施策

今回のサイトの場合は、大きく二つしたいことがございます。

①情報整理および優先度の順位づけ
②お客様に合わせた最適な商品をご提示できる環境の作成

一つ一つ簡単に解説させていただきます。

①情報整理および優先度の順位づ

まず、一つ目(情報整理および優先度の順位づけ)に関して
TOPページやカードローン詳細ページでご指摘させていただきましたが、ユーザーが迷ってしまうぐらい多くの項目を訴求してしまっています。
ただ導線やボタンなどを羅列するのではなく、戦略に合わせて、お客様に伝わりやすいように強弱をつける必要がございます。
特に商品詳細でのコンバージョンでユーザーに迷いが出てしまうのは非常にもったいないと思いますので、電話・申込書などの優先順位を下げ、ページ下部にのみの表示にするなどの対応を弊社なら提案させていただきます。

②お客様に合わせた最適な商品をご提示できる環境の作成

そして、二つ目(お客様に合わせた最適な商品をご提示できる環境の作成)に関して
こちらはかりる一覧でのご指摘の際に説明しておりますが、自分に合った商品が何かを把握していないユーザーからするとその先に進むことが困難な状況となっております。
そのため、診断コンテンツをTOPにまとめて掲載して、自分に合った商品を見つけやすい状態を整えることや目的から探すなどの別の探し方を用意し、自分が必要としている用途からローンを探せる仕組みの用意などを提案させていただきます。
こちらに関しては百十四銀行様やりそな銀行様などが非常に上手く訴求しておりますので、ぜひご参考にしていただければと思います。

まとめ

今回の某地方銀行様の場合では、TOPページやかりるページなどでしっかりとサービス名など一覧で表示し、ユーザーが探せばたどり着けるサイトになっておりました。
ただ、Web上では探せば辿り着けるではなく、探しやすい状態を作ることが重要になってきます。
ただ商品名を一覧で表示するのではなく、他の探し方の準備やサイト内でユーザーに合った商品を提案するなどのユーザーが迷わない仕組みを作ることが重要となってきます。
そのため、情報整理や優先順位の設定などを決めておく必要がございますので、何を見せたいか何を見てほしいかを再度検討したうえで、自身のサイトを閲覧してみて、それが真っ先に伝わってくるか否かをチェックしてみてはいかがでしょうか?

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