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主観評価で終わらせない!ヒューリスティック調査の調査方法・評価基準をご紹介!

こんにちは、メンバーズルーツの田中です。
メンバーズルーツカンパニーは、2020年4月設立以来、多くの地方企業・中堅企業のWebサイトを独自の手法で調査と提案を行ってきました。
地方企業・中堅企業の多くがWebサイトをどうマーケティングに活用するかというフェーズに入っており、昨今のコロナ禍の影響もありDXやデジタルの活用に舵を切りたいものの、どこから手を付けていいのか分からず、なかなか改善が進まないというのは共通の課題のように感じます。このWeb課題の発見と解決のための示唆を提供するのが「Webサイト調査」になります。
昨年末に、30社以上の調査を通して見えてきた共通課題と改善策について、我らがメンバーズの福田大輔さんと共に、「地銀・有力企業など30社以上の調査から分かった! 地方・中堅企業のWebサイト課題と解決策」と題したセミナーを開催させていただきました。

今回は、そのセミナーの中でお話させていただいた、「ヒューリスティック調査」についての内容をご紹介させていただければと思います。

ヒューリスティック調査とは?

弊社Webディレクターが、ターゲットユーザーを想定し実際にWebサイトを訪問、初回訪問ユーザーになったつもりで、疑問点、ストレスに感じることについて記録します。サイト来訪から目的達成までの体験を評価することで、ユーザビリティ・アクセシビリティの観点からサイトの課題を抽出することができます。

チェックするポイント

ヒューリスティック調査は、定量的な分析手法ではないため、調査を実施する人の経験則から導き出される主観的なものとなりがちです。判断基準を持たずに評価をしてしまうと、単なる好みや印象の話になってしまいがちですので、調査プロセス/ツールを整理することで、ヒューリスティック調査を体系的に標準化しています。

前提条件

ヒューリスティック調査実施のプロセスとして、調査前に必ず以下の3項目をインプットしています。

1.サービス

 サービスの目的は?
 ユーザーのゴールは?
 コアバリューは?
 KPIは?

2.想定ユーザー

 ユーザーニーズは?
 デジタルリテラシーは?
 新規?リピーター?
 流入のきっかけは?

3.背景・課題

 調査の理由は?
 現状の課題は?
 現状のデザインの意図は?
 デザインプロセスは?

ヒューリスティック調査の前段階で、対象企業/Webサイトのサービスやユーザー属性を知ることで、よりクリティカルな示唆を導き出すことが可能になります。

評価基準

実際の評価においては、UXの5段階モデルでの評価を採用しています。5段階モデルとは、最終的な表層に至るまでの工程を5段階に分けた考え方で、5段階に沿ってデザインを進めることで、企業戦略ともひも付き、ユーザーニーズに合ったサービスを作ることができます。 5段階×5つのチェック項目を評価シートに落とし込むことで、ヒューリスティック調査の標準化を図っています。

Webサイトのヒューリスティック調査における実際の評価では、UXの5段階モデルでの評価を採用しています。

ヒューリスティック調査結果

そして昨年、上記の評価基準に沿って調査を行った結果が以下のスライドになります。

ヒューリスティック調査によりWebサイトを定量定性の両面から調査した結果、秀逸なWebサイトは2/33

2/33という結果は、調査するWebディレクターの意識が高すぎるのではという考え方もありますが、属人的にならないために前述したようにヒューリスティック評価基準も明確化しているため、一定の基準値で見た際の調査結果となっています。 そして逆説的に、評価表で悪かった点というのが明確化されるため、そのポイントを改善することで、ユーザビリティ・アクセシビリティを改善することができるということになります。

まとめ

社内でヒューリスティック調査を実施することも可能ですが、その場合は十分な経験を持つスタッフが必要となります。また、ヒューリスティック調査は数値で確認できる定量データ分析とあわせて多角的に実施することで、導き出される結果が変わってくることがあります。

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