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地域の経済発展をデジタルで支える!地銀DX推進の背景

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

今回は、なぜ地方銀行(以下、地銀)がDX推進に力を入れているのか、その背景について調査をしてみました。
以前の記事にて、地銀DXを進めるうえでカギとなる内製化についての話に触れてきましたが、内製化が必要とされる事情がそれぞれの地銀にあることが判明しました。
また、それと同時に地銀が地域の経済発展とも密接な関係にあるということもDX推進の背景にあるようです。
デジタル活用で地元企業や人々の暮らしの未来を変革できる可能性を秘めていることが感じられました。

地銀のデジタル担当者さまはぜひ、他行のDX推進の背景を辿り、どのような形式でDXを取り入れているかチェックしてみてはいかがでしょう。

なぜ進まない? 地銀のデジタル化を妨げる要因を探る

メガバンクやネット銀行に比べ、イノベーションを起こすことが難しいとされる地銀。
やはり、DXのような新たな取り組みは多くの地銀で進みにくいという現状があります。

デジタルに関する誤解はまだ多い

また、私たちが全国各地の地銀のみなさまからDXに関するヒアリングを進めていく中で、デジタルチャネルに特化した目標値がないというケースも多く耳にすることがありました。
どうやら、“年間の目標”や“全体の目標”の数値はあるけれど、デジタル単体の目標値はない…という事のようです。

しかし、デジタルチャネルに関する目標を具体的に決めることは大切です。
何らかの値を決めなければ具体的にアクションは起こせません。
また、指標となるものが無ければ改善につながるアクションを起こしても「何の数値が良くなったのか、悪くなったのか分からない」という状態に陥ってしまいます。

※目標設定については、「地銀のDXが進まない3つの理由~前編~」をご覧ください。

さらに、これらに関して地銀の担当者さまの立場に立ってみると、新たな取り組みには厳格なROIや事前予測の提出を上位組織から求められるため、DX推進に消極的になってしまうのも仕方がないのかもしれません。
以前の記事でも紹介したように、近年話題となっている内製化も全て自行で実施しなければと考えている地銀も多く、そこにデジタル人材の不足が重なるとDXに関するものは動かなくなってしまいます。

※DX推進体制については、「地銀のDXが進まない3つの理由~後編~」をご覧ください。

先進的DXをビジネスチャンスに変える!

多くの地銀は新たな取り組みに対して消極的になりがちな部分もあるため、DX推進には意識改革から始めなければならないというのが現状のようです。

その一方で地銀にこそDXが必要と気づき、早い段階でDXを積極的に推し進めてきた地銀もあります。

肥後銀行(熊本県熊本市)は、地銀がDXを率先することで地元企業を守ることにも繋がると考えていました。
地方の人口減少や過疎化は課題でもありますが、人材を余らせない状況を作りながら業務のスリム化ができるチャンスと捉え、オンライン会議等のデジタル活用で距離の問題を越えたビジネスが行えるとして意識改革を進めてきました。
このような取り組みを行ってきた肥後銀行は、九州の地銀として初めて経済産業省の「DX認定事業者」の認定も取得しています。

地銀のDXから地域経済を活性化に導く

やはり、地銀の意識改革を進めるためには個々の地銀がデジタル施策を実施し、事例の認知を広げていくことが必要なのかもしれません。
事例を知ることにより、同じ課題を持つ地銀がチャレンジしやすい環境が形成されていく可能性もあります。

その他、中小企業のDX推進にも取り組んでいる地銀のケースもピックアップしてみました。

地域活性化に貢献している地銀

四国銀行(高知県高知市)も、地元の中小企業のDX推進を支援している地銀です。

四国銀行は中期経営計画の中でデジタル技術等を活用した地域の経済活動の効率化を行うことを戦略として掲げていますが、他の地銀と同様にDXが進みにくい状況にあった為、金融系のウェブサービスを提供している株式会社マネーフォワードと連携、バックオフィスSaaSを導入しDX推進を支援していました。

同様の取り組みは、岩手銀行(岩手県盛岡市)でも行われています。

岩手銀行は、イノベーションの創出に取り組む県内企業への投資をしており、デジタルコマース領域における開発・保守・運用サービスを提供する株式会社ワイヤードビーンズを岩手新事業創造ファンド1号として出資。
さらに、「地域×DX」というテーマに積極的に取り組んでいるワイヤードビーンズと業務提携をしながらDXソリューションを企業へ提供していました。

まとめ

地銀がDX推進に向かった背景を知ることで、DXの必要性をより深く実感していただけたのではないでしょうか。

今後、地銀が生き残っていくためにもDX推進は必須です。
それだけではなく、これから確実に迎える少子高齢化社会やコロナ禍の中で地方に暮らす人々や企業が生き残るためにも、地元企業と信頼関係を築いてきた地銀が企業の事業価値向上や地域経済の発展をサポートしていくという役割を担う必要があります。

そのため、今回ご紹介してきたようなデジタルビジネス事業を手掛ける企業と地銀の業務提携がさらに活発化していくかもしれません。
私たちも各地銀の動きや取り組みを引き続き調査し続けます。

次回もまた、最新の地銀DXに関する取り組みをご紹介していきます。

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