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【クラウドサービス導入編】地方銀行におけるDX事例まとめ(2022年1月)

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

今回は、地方銀行(以下、地銀)やネット銀行がクラウドサービスを導入し、どのように利活用しているかについてまとめてみました。業務の効率化はもちろん、セミナー運営、営業支援、データ統合など導入の目的も銀行によってさまざまなケースがあるようです。クラウドサービスの導入を検討中のデジタル担当者さまはぜひ、参考にしてみてはいかがでしょうか。

地銀がクラウドサービスを続々導入! 情報の一元管理によるDX推進が活発に

各地銀で目的に合わせたクラウドサービスが取り入れられています。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の一つとして情報管理の在り方を変え、顧客データ等を一元管理することによって業務のスリム化をしている様子がうかがえます。

クラウドサービスを使ったコンタクトセンターを創設し、従来型の電話対応のコールセンターがデジタル化されたケースや、金融業界以外でも広く注目されているセミナー運営にもクラウドサービスが活用され始めていました。

クラウド Watch:静岡銀行、Salesforceを活用しコンタクトセンター機能を拡充 営業支援システムの刷新も

日本アイ・ビー・エム株式会社は、株式会社静岡銀行が、営業活動のDXを図るため、Salesforceを活用したコンタクトセンターの機能拡充と、営業支援システムの刷新プロジェクトの支援を推進していると発表しています。

静岡銀行では従来、コールセンターの電話のみで顧客対応を行っていましたが、コンタクトセンターとしてデジタル化し、有人チャットやWebフォームといったデジタルチャネルでの問い合わせ受付を開始。

これにより、時間や場所を選ばず顧客からの相談に対して対応可能になるとのこと。さらに、2023年1月稼働を目指して開発が進められている営業支援システムでは、法人および個人の顧客情報を一体型で管理し、案件抽出、事務作業、管理業務といった営業業務全体で利用、渉外業務の生産性向上や経営情報の可視化による管理業務の効率化を図り、営業力の強化と顧客満足度の向上を推進していきます。

クラウド Watch:常陽銀行、Sansanのセミナー管理システム「Seminar One」を導入しオンライン開催時の負荷を軽減

DXサービス(クラウド名刺管理サービス等)の企画・開発・販売を行うSansan株式会社は、茨城県を中心に事業を展開する株式会社常陽銀行にて、法人向けセミナー管理システム「Seminar One」が地方銀行で初めて導入されたことを発表しました。

常陽銀行ではコロナ禍におけるセミナーをオンライン開催にシフトしており、それに伴ってセミナー運営に要する人員や工数が増加していたほか、今後はオフライン開催との組み合わせ、さらなるセミナー運営の効率化・省力化が求められることから、こちらのシステムを採用したとのこと。

「Seminar One」は、セミナー運営に必要な機能をオールインワンで提供するため、運営の効率化・省力化が図れるとともに、複数のツールを利用する煩雑さも解消しながら生産性の向上も期待できる点が特徴。

オフライン開催の場合は、オプション機能無人名刺受付システム「スマート受付」によって受付を非接触かつ無人化ができ、セミナーの開催に必要な情報をシステム上に入力するだけで集客用の募集ページ作成を行えるため、業務の属人化や工数削減ができることもメリットです。

他にも、アンケート回答状況や結果をすぐに確認できる機能等、参加者情報とアンケート結果を一元管理可能なため、開催後にマーケティングや営業の担当者が参加者に対してスムーズにアプローチを行えることから、セミナー開催の成果拡大も期待されています。

日経クロステックActive:nCino、クラウド型融資プラットフォーム「nCino(エヌシーノ)」をきらぼし銀行が採用

クラウドバンキングと金融サービスデジタルトランスフォーメーションの先駆者であるnCino(エヌシーノ)社は、株式会社きらぼし銀行が、地域経済・地域社会の持続的発展に向けたDX推進を目的として「nCino Bank Operating System(R)」を採用、導入支援を日本アイ・ビー・エム株式会社が行うことを発表しました。

「nCino Bank Operating System(R)」は、全世界1,200以上の金融機関が採用。一気通貫した銀行体験の最適化が実現できることを提唱しています。

このシステム採用の背景にあるのは、きらぼし銀行を傘下に持つ、東京きらぼしフィナンシャルグループが2021年4月にスタートした新中期経営計画。

「お客さまの新しい価値を創造する“東京発プラットフォーマー”となる」ことを目指したDX推進等による経営基盤の改革やビジネス構造の改革への取り組みです。

ユーザーの多様な課題に応えるために事業性ファイナンスのビジネス強化に向けた業務の効率化とリスク管理体制強化を実現する手段として、グローバルで実績のあるnCinoの採用に至ったとのこと。

nCinoは、金融業界での高い知見と専門性あるソリューション導入実績を持つ日本IBMとともに、きらぼし銀行の、ストラクチャード・ファイナンス、レバレッジド・バイアウト・ローン等の事業性ファイナンス部門におけるnCino導入・活用を支援していきます。

クラウドサービスで業務効率化! データ統合や内部開発でスムーズな業務運用を実現

今後、さまざまなサービスがデジタル化されていく中で、データの重要性が高まっています。

しかし、データ収集に負荷がかかる点、収集したデータを「どう使うか?」なども課題になって来ることが考えられます。

それらの課題に気付き、クラウドサービスを導入することで解決に繋げたケースや、他の企業と柔軟に連携できるクラウドサービスへの移行によって内部開発を可能にし、顧客へのスピーディーな対応を可能にしていました。

ZDNet Japan:住信SBIネット銀行、データ基盤をクラウドに全面移行

住信SBIネット銀行は、全社データ基盤に「Teradata Vantage on AWS」を採用しました

今後、データ基盤をクラウドに全面移行し、全社のデータを統合していく計画であることが発表されています。

住信SBIネット銀行は、「最先端のITを駆使した金融取引システムを安定的に提供すること」を経営理念に掲げており、近年はブロックチェーン技術を用いた送金アプリやオンラインによる本人認証(eKYC)を用いた口座開設、AI(人工知能)による金融機関向けの住宅ローン審査などのサービスを提供しています。

その一方で、データ準備にかかる労力は一つの分析プロセス全体の80%以上を占めるとも言われ、効率化が課題となっていました。

それらを解決するために、データ基盤をクラウドに全面移行し、全社のデータを統合することを決定。

クラウドにはAmazon Web Serices(AWS)を選択し、データ基盤ソフトウェアにはTeradata Vantageを選定しています。今後もデータとアナリティクスのさらなる活用により、お客さまへのサービス拡充に努めていくとのこと。

日経電子版:西京銀行、勘定系システムをクラウド化 地銀で2番目

西京銀行(山口県周南市)が、銀行業務の基幹となる勘定系システムをクラウド化することを発表しました。

マイクロソフトのクラウド「アジュール」上で稼働する、日本ユニシスのオープン勘定系システム「バンクビジョン」を導入し、稼働開始は2024年となる予定です。地方銀行が勘定系システムをクラウドに移行させるのは、5月に移行した北国銀行に次いで2行目。

また、移行に際しては金融庁から支援を受けることとなり、新システムへの移行後は異業種やフィンテック企業と柔軟に連携されるため、顧客へのサービス向上が見込まれます

商品やサービスに関するシステムも従来の外部委託ではなく、グループ内で迅速に開発できるようになるとのことです。

まとめ

各地銀、ネット銀行ともにクラウドサービスを利用した新たな事業展開に踏み出していることが感じられたのではないでしょうか。

また、クラウドサービスの導入は顧客対応のスムーズさや業務スリム化につながるだけではなく、システム稼働までの期間が短く済むこと、サーバーを保有しないことによる運用負荷がかからないという点も導入のメリットと考えられます。

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