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地方銀行・地方中堅企業におけるDX事例まとめ(2021年4月)

みなさん、こんにちは。メンバーズルーツカンパニーの広報担当です。

4月のDX事例は、地方銀行(以下、地銀)の新たな役割に注目し、ピックアップしています。これからの地銀は、地域の企業や暮らしを支えるために何をしていくべきなのか。

今後の地銀の経営方針やSDGs(持続可能な開発目標)を取り入れた活動などからも新しい展開が感じられました。 地銀の取り組みに注目している方は、ぜひ、ご覧ください。

デジタル時代にリアル店舗は必要?人材再配置やコンサル業務で地銀の新たな役割を見出す

日本全体でデジタル化が推進され、メガバンクでは実店舗が削減されるなど、銀行に限らず“リアル店舗”の意義を再確認する時代となりました。

しかし、いくつかの地銀においてはリアル店舗の存在に新たな役割を見出し、あえて残す、新設するなどの方針を示しています。

DX推進後の既存業務がどうなって行くのかを見据え、今後のリアル店舗は地域社会に寄り添いながら経済活性化をサポートする役割へと変りつつあるようです。

Business Insider Japan:どん底から這い上がったりそなの脱・銀行DNA。“冬の時代”に賭ける5つの切り

独自の「脱・銀行」改革を重ねてきたりそなが、銀行激動の時代にどう立ち向かうのか。2020年4月に社長に就任した南昌宏氏が独自の方針について語りました。

その内の一つは、デジタル・データファーストに舵を切りつつも「リアル店舗はあえて残す」というもの。メガバンクが店舗の削減を進めている中で、ネットによってリアル店舗の価値を特別なものにしていきたいという南氏。タブレットを使った対応等で『社員一人ひとりが営業店』となるような新たな店舗運営の在り方をイメージしています。

また、「リストラはしない、再教育がカギ」という方針も打ち立てています。

そこには、「DXを企画するのも、実際に展開していくのも、恩恵を受けるのも実は『人財』。

DXはどこまで行っても人財基点、そしてお客様基点で考えるべき話なんです」と語る南氏。

人をなくしてDXのビジネスモデルは成立しないという、人材を重要視する姿勢が表れていました。

さらに、DX推進後に事務などの業務が無くなった社員に対しては、お客様の接点となり、新しいソリューションを提供する役割や新規ビジネスの担い手として本来持つ力をより発揮しやすい領域に展開させ、活躍の場を与えていくという狙いです。

これまでにない苦境が続く銀行業界でりそなホールディングスは“冬の時代”を乗り切るための改革を続けています。

日経電子版:京葉銀行が新中期計画、法人コンサルを強化

京葉銀行は、2024年3月まで3年間の中期経営計画を発表しました。

低金利や銀行間の競争激化に対応し、安定した収益を生み出す体制を整えるためにコンサルティング業務の強化を目指すとのこと。

同行の藤田剛執行役員は「単なる資金の貸し借りではなく、顧客ごとにカスタマイズした提案や商品が求められている」として、資金繰りのほかに業態転換やM&A(合併・買収)も支援していく予定。

また、個人向けの商品提案力も磨く方針を示しており、きめ細かい商品提案ができるよう、専門的な知識やノウハウを持つスタッフを育成し、各店舗に配置しリアル店舗の営業体制を強化しています。

このような体制に向かう一方で、店舗網の効率化も急務となっており、法人営業を各地域の中核店舗に集約。営業力の向上にも効果があると判断し、周辺の支店を個人向け業務に特化する「エリア」制を今後3年間で県内全域に拡大していく予定です。

産経ニュース:「非金融分野のニース掘り起こし」みなと銀 武市社長インタビュー

関西みらいフィナンシャルグループ傘下のみなと銀行社長、武市寿一氏が産経新聞のインタビューにて、非金融分野のニーズを掘り起こす専門グループの設置を明らかにしました。

地銀も店舗を縮小する中で「極力閉めずにやっていく」と語り、人員の兼務などで運営効率化を進める予定です。

4月から16店舗の人員を近隣店舗と兼務にすることで、効率化を徹底。将来的には3、4人で運営する少人数店舗の拡大も視野に入れているとのこと。

また、4月に設置された法人取引推進グループは、大企業から地元中小企業へ経営やデジタル分野を担う幹部人材を仲介する職業紹介サービスなど、金融以外の相談に対応。

課題解決型から課題発掘型に転換する。(融資など)お金の話をしなくても顧客の役に立つようにしたい」 という思いとともに、大企業とベンチャー企業の仲介にも意欲を示していました。

SDGsの取り組みで中小企業にチャンスを!新たな事業創出で地域経済活性化を目指す

政府をはじめとして、すでに大企業などでは取り入れられているSDGsの取り組み。その一方で、中小企業では取り組みに対してまだ消極的な状況にあるようです。

多くの中小企業にとっては、SDGsへの取り組みが社会貢献や自社の増収増益につながるというイメージがまだ湧きにくいのかもしれません。

しかし、取り組みの成功事例が増えることによって徐々に地銀や中小企業にもSDGsが浸透していくのではないでしょうか。

以下から、地銀を筆頭にSDGsを推進している事例をご紹介します。

日経電子版:足利銀行、SDGsコンサル開始 無料で中小企業に

足利銀行は3月末より、中小企業向けに持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた無料のコンサルティング事業を開始しました。

SDGsコンサルでは企業ごとに人権や環境、取引の公正さなどSDGsに関わる6分野41項目について社内の状況を聞き取り、リポートを作成。

項目ごとの取り組み状況を点数で示し、対策の必要な部分を洗い出して働き方の改善策の提案や人材採用の支援に繋げます。

また、この取り組みは社会貢献だけではなく、リスク回避にもなるとのこと。人権問題や環境保全へ積極的に取り組む企業であれば、消費者や投資家から選ばれないというリスクを避けることができます。

さらに、もう一つのメリットは、SDGsの機運を捉えた製品の開発が新しい事業創出の機会になるということ。同行の営業推進部の渡辺唯正・本業支援室長は「まずは無料のサービスで中小零細企業のSDGsに対する意識を高めたい」と語りました。

zakzak:【編集局から】西日本シティ銀行が「寄付型販売スキーム」で『SDGs』推進

西日本シティ銀行が、かわいらしい犬をあしらったオリジナルキャラクター「ワンク」を使ったユニークなプロジェクトを始動させています。

これは、グッズの製造・販売を取引先の段ボール会社などに任せ、会社側から受け取ったワンクの使用許諾料の全額を地元の社会福祉協議会に寄付する「寄付型販売スキーム」という仕組み。

従来の銀行の業務では銀行法の厳しい規制がかかり、モノを直接売ることは認められてはいなかったため、金融当局に1年を掛けて許可を得て、この仕組みを作り上げました。

広報文化部の小湊真美部長は「銀行に収益は入らないが、国連が掲げる『持続可能な開発目標(SDGs)』の推進に向けた取り組みの一つとして、地元社会に貢献できればとの思いで編み出した。この輪が他の銀行にも広がればいい」と語り、銀行と地域社会との新たな繋がりを感じさせる取り組みとなっていました。

まとめ

それぞれの地銀が銀行としての役割に縛られることなく、新たな価値提供へと取り組んでいる事が感じられたのではないでしょうか。

コロナ禍や少子高齢化などの問題を抱えていても、地銀が地元企業を非金融の分野からサポートすることによって、新たな経済支援や社会貢献の好循環を生みだしていくことは可能です。また、すべてをデジタルに集約するのが良い事なのか、リアルだけにしかない役割を改めて考える機会が来ているのかもしれません。

今後、非金融分野で新たな価値を提供するためには、店舗をはじめとした既存業務の効率化に伴うリソースの確保が必要となってくるでしょう。

そして、これからの地銀には生産性の向上と新規事業領域開拓の両軸を実現するためのDX推進が求められます。

そのため、DXもミッションのひとつとして進めて行かなくてはなりません。デジタル推進の担当者さまは、デジタル人材の不足にお困りではありませんか?

そんな時はぜひ、私たちの「DXプロフェッショナル人材サービス」へお問い合わせください。

メガバンクや地銀のデジタルマーケティング・DX支援で培ってきたナレッジ・ノウハウを、私たちの伴走型の支援を通して、強力にサポートしていきます。

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