新年あけましておめでとうございます。メンバーズルーツの田中です。
メンバーズルーツカンパニーは、2020年4月設立以来、多くの地方企業・中堅企業のWebサイトを独自の手法で調査と提案を行ってきました。
地方企業・中堅企業の多くがWebサイトをどうマーケティングに活用するかというフェーズに入っており、昨今のコロナ禍の影響もありDXやデジタルの活用に舵を切りたいものの、どこから手を付けていいのか分からず、なかなか改善が進まないというのは共通の課題のように感じます。このWeb課題の発見と解決のための示唆を提供するのが「Webサイト調査」になります。
昨年末に、30社以上の調査を通して見えてきた共通課題と改善策について、我らがメンバーズの福田大輔さんと共に、「地銀・有力企業など30社以上の調査から分かった! 地方・中堅企業のWebサイト課題と解決策」と題したセミナーを開催させていただきました。
今回は、そのセミナーの中でお話させていただいた、「SEOのお作法」についての内容を簡単にご紹介させていただければと思います。
SEO基盤調査について
昨今の主流は、コンテンツSEOなどとも言われていますが、本調査では、ソース構造から見る基本的なSEO適正度を定量的に調査しています。いまの検索エンジンのアルゴリズムから、本調査内容はあまり意味がないかと思われるかもしれませんが、弊社のご支援例では、この調査指標に沿って「お作法」を改善するだけで、5か月間で自然検索流入が133%上昇した実績もあるため、必ずしも意味のない項目ではないのかもしれません。
SEO調査の7つの評価基準
- 基本情報
- 主題
- 文字数
- 単語数
- 見出し
- 代替テキスト
- 発リンク
上記7項目のいわゆる、基本的なHTML構造「お作法」が整っているかどうかという観点での調査となっており、それぞれ100点満点の点数を設定し、全体で割りなおしたものをSEO総合評価点としています。
調査した中でお作法が整っていたWebサイトはわずか6%
正しいお作法でSEO対策されていたWebサイトの数は、わずか6%。評価点の平均は48.8点でした。中央値でも50点でしたので、地方企業・中堅企業のSEOお作法は全体的に低い水準であることが分かりました。以下からは、減点の原因として多かった項目をご紹介します。
1. 代替テキストの未設定 平均13.75点
意外と見落としが多かったのが、代替テキストの未設定。平均点が13.75点でしたので、多くのWebサイトで設定ができていなかったということが分かりました。 ページで使用している画像に正しく代替テキストが設定されてない、もしくは代替テキストの抜け漏れがあるWebサイトが最も多く見受けられました。また、主題との関連性が低い代替テキスト(imgで設定されているなど)のパターンも見受けられました。
一度、Webサイトの代替テキストの設定状況をご確認いただくとよいかもしれません。
2. 見出しの内容 平均20.00点
こちらも平均点20点でしたので、見出しタグのお作法が整っていないWebサイトが多いという結果となりました。見出しに含まれるテキストの内容、一貫性と信頼性が欠けるWebサイトが多かった印象です。また、見出しの構造についても正しい構成になっていないサイトが散見されました。
見出しタグ(hタグ)の適切な使い方については、検索すると正しい情報はいくらでも出てくるため、ここでの説明は割愛させていただきます。
3. 基本情報の不備 平均46.56点
そもそも、基本的なHTML構文に不備があるサイトも多く確認されました。HTMLの論理的構造に準拠した構文での記述が理想的ですが、よくあるパターンとしてトップページへの要素追加や機能追加を繰り返した結果、当初のルールが破綻しているWebサイトが多くありました。この場合は、初期からベンダーが複数社変わっていることも多く、誰もサイト構造を把握していないという事態も見受けられます。こちらは初歩の初歩ですので、まずは正しく記述されているか、lintなどを使用して、コードに構造上の問題がないことを確認するのも大切です。
メンバーズルーツでのSEO改善
これらのお作法的なSEOの改善については、理論さえ分かれば基本的に誰でも改善が可能です。技術的スキルよりも一貫性や論理性が非常に重要になってくるため、弊社では、SEO改修作業に工数をかけるのではなく、上記7つの評価基準に基づいた改善指示書をアウトプットとする場合が多くなっています。これにより、SEO改善の考え方や論理性などの共有が図れるため、改善指示書外のWebサイトや、これから作るWebサイトなどにおいて、自社にナレッジが蓄積され再現性を持ってベンダーへ指示が可能になるといったメリットがあります。
また、冒頭もお伝えしたように、調査指標に沿って「お作法」を改善するだけで、約5か月間で自然流入が133%上昇した例にあるように、サイトによっては実数で数万単位の流入数向上が期待できるため、手が付けやすく実践的なデジタル成果への取り組みのひとつだと考えます。